小説には色々なジャンルがありますが、推理小説は本当に面白い!
でも、推理小説初心者の方には、どの作品がおすすめなのか分からないこともありますよね。
そこで、今回は初心者向けの人気おすすめ推理小説をご紹介します。
国内外の推理小説の中から30作品が登場しますから、これを機に読んでみてくださいね。
国内の推理小説作品
綾辻行人/十角館の殺人
十角形の奇妙な館で起こる連続殺人。
推理小説初心者でも、テンポの良い展開で最後まで一気に読めます。
王道の推理小説を楽しみたい方にイチオシの作品です。
個人的には、この小説を読まずして、推理小説を語って欲しくないと思っています(笑)
ミステリー史上に残る大トリックには、衝撃を受けること間違いなし!
「たった1行ですべてがひっくり返る」のキャッチコピーどおり、終盤にある1行には本当に驚かされます。
この小説を読む時のお約束!
絶対に、最後を先に読まないでくださいね!
出版社: 講談社
発売年: 2007年
市川憂人/ジェリーフィッシュは凍らない
小型飛行船「ジェリーフィッシュ」の航行試験中に、飛行船ごと雪山に閉じ込められた技術開発メンバーたち。
脱出する術もない中で、次々と犠牲者が・・・。
事件を追う刑事と事件の様子を回想する2つの視点で、物語が進んでいきます。
この2つの視点の構成が素晴らしく、読む手を休ませてくれません。
2人の刑事の会話にコミカルなところがあり、シリアスになりすぎないのも◎!
本格ミステリー専門の賞である、鮎川哲也賞(第26回)を受賞しています。
2017年「このミステリーがすごい!」のベスト10に入った作品です。
出版社: 東京創元社
発売年: 2019年
有栖川有栖/46番目の密室
タイトルどおり、密室をテーマにした正統派の本格ミステリーです。
推理作家の「アリス」と、友人で犯罪心理学者の「火村」。
この2人が密室で起きた不可解な事件に挑んでいきます。
「アリス&火村」という最高のコンビが誕生した作品でもあります。
2人のユーモアと皮肉が効いた掛け合いが面白く、それだけでも楽しめます。
読者の皆さんも2人とともに、手がかりをもとに推理しながら、読み進めることができますよ。
出版社: 講談社
発売年: 1992年
有栖川有栖/ロシア紅茶の謎
アリス&火村のコンビが活躍するシリーズの短編集です。
国名をタイトルに含めた「国名シリーズ」の1作目でもあります。
本格ミステリーが6編も入っていて、読み応えのある作品ばかり!
コンビの面白さ、密室、暗号、トリックなど、ミステリーの王道ネタが満載です。
短編集なので、サクサク読めますよ。
出版社: 講談社
発売年: 1994年
今村昌弘/屍人荘の殺人
国内の主要ミステリー賞4冠を達成したことにより、一気に知名度が上がった作品です。
ペンション・紫湛荘(しじんそう)で起きた連続殺人事件。
ミステリー愛好会のメンバーが紫湛荘に閉じ込められる「クローズド・サークル」(*)ものです。
(*)「クローズド・サークル」とは、外界との往来が断たれた状況下で起こる事件を扱った作品のことです。
が、その設定が非常に斬新で、一度読み始めたら止まりません。
斬新な設定と緻密なトリックが融合し、謎解きの楽しさを味わえます。
ホラーっぽいところもある本作は、新時代のミステリーと言えるでしょう。
出版社: 東京創元社
発売年: 2017年
森博嗣/すべてがFになる
孤島のハイテク研究所で起こった密室殺人。
手の込んだトリックに加え、理系の天才が複数人登場するミステリーというのも、目新しいですね。
発売が20年以上前の作品ですが、VR技術を的確にとらえている点も◎!
理系の知識と思考を使ったトリックを存分に堪能できる理系ミステリーです。
その点で、他のミステリーとは一線を画しています。
出版社: 講談社
発売年: 1998年
東野圭吾/マスカレードホテル
木村拓哉さんと長澤まさみさんの主演で映画化された作品です。
都内で起きた不可解な連続殺人事件。
次の犯行場予告の場所となったホテルを舞台に、潜入捜査をする刑事とフロントクロークが真犯人を探していきます。
ホテルを訪れる客の誰が犯人なのか、推理をしながら読むのがおすすめです。
刑事とフロントクロークの掛け合いが面白く、どんどん読み進められます。
出版社: 集英社
発売年: 2011年
東野圭吾/仮面山荘殺人事件
8人の男女が集まった山荘を、逃亡中の銀行強盗が占拠し、殺人事件が起こる。
しかし、どう考えても銀行強盗は殺人犯ではない。
気になる展開が次々起こるので、全く退屈することがありません。
そして、話は予想外の展開を見せて終わります。
読みやすい文章で、あっという間に読み終わってしまいます。
ミステリーなのに後味が悪くないので、スカッとした爽快感を味わいたい方におすすめ。
出版社: 徳間書店
発売年: 1990年
宮部みゆき/火車
山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作です。
社会問題としての消費者金融のありかたをテーマとしています。
クレジットカード社会の闇を、ミステリーによって浮き彫りにしている重厚な作品です。
全てのつじつまが合ってスッキリする感が素晴らしく、読者の想像力を搔き立てられるラストになっています。
30年近く前の作品で、時代背景は少し古いですが、続きが気になってどんどん読めますよ。
出版社: 新潮社(改版)
発売年: 1998年(改版)
倉知淳/星降り山荘の殺人
ちょっとクセのある人たちが集まった雪の山荘で起きる連続殺人。
探偵役、ワトスン役をしっかり指定して話が進んでいき、読者にも謎ときをさせていくスタイルです。
ユーモアのあるキャラクターのおかげで、一味違ったミステリーになっています。
全てのつじつまが合ってスッキリする感が素晴らしく、読者の想像力を搔き立てられるラストになっています。
犯人にビックリすること間違いなしです!
出版社: 講談社
発売年: 1996年
筒井康隆/ロートレック荘事件
森の中の別荘で起きた殺人事件という古典的な題材を扱った作品です。
最初から最後までトリックだらけで、最後にはトリックの解説まで付いています。
思いもかけない展開にワクワクしますよ。
約200ページほどの短い小説ですから、とにかく最後まで読んでください。
かなりの方がだまされるでしょう。
出版社: 新潮社
発売年: 1990年
柳広司/ジョーカー・ゲーム
日本推理作家協会賞を受賞した究極のスパイ・ミステリーです。
戦前の陸軍内のスパイ養成学校「D機関」を舞台にした短編小説で、様々な角度からスパイたちの任務が描かれています。
天才スパイたちの決死の頭脳戦はすごすぎて現実味がないですが、楽しく読めます。
それぞれの短編が、異なる登場人物の目線で語られます。
しかし、それがスパイ目線なのか、部外者の目線なのか、最後まで分かりません。
最後の最後で「だまされた!」と感じるはずですよ。
出版社: 角川書店
発売年: 2008年
下村敦史/闇に香る嘘
帰国した中国残留孤児の兄の正体を探っていく社会派ミステリー。
ポイントは、主人公が盲目で、幼い頃に生き別れた兄の顔を確認できないというところです。
物語は盲目の主人公の視点で進んでいくので、ハラハラすることが多く、サスペンスとしても楽しめます。
「兄は一体誰なのか?」という謎の驚くべき真相が明らかになるラストは、見事としか言いようがありません。
出版社: 講談社
発売年: 2016年
下村敦史/告白の余白
双子の兄の自殺の真相を探るため、主人公が京都で兄になりすまして謎を解いていく。
京都という土地ならではの、面白いミステリーが楽しめます。
最大のポイントは「物語の中の会話のほぼ全てが伏線」というところです。
終盤で会話の伏線が回収されていくのは、本当に見事です。
また、最後まで二転三転する展開を見せてくれるので、読後の満足感も十分あります。
出版社: 幻冬舎
発売年: 2016年
乾くるみ/リピート
記憶をそのままに、過去に戻ることができる「リピート」。
そのリピートをした人たちが次々と殺されていく、タイムトラベルミステリーです。
最後の最後までハラハラ・ドキドキさせられて、衝撃のラストを迎えます。
後味はあまり良くありませんが、先の読めないストーリーはとても面白いですよ。
読後に「もしもやり直しができたら」と考えてしまう不思議な作品です。
出版社: 文藝春秋
発売年: 2007年
西澤 保彦/七回死んだ男
同じ1日を9回も繰り返す特異体質の主人公が、祖父の死という未来を変えようと試行錯誤するSFミステリーです。
比較的コミカルに描かれていて、最後はスッキリとして気持ちになる読後感の良い作品です。
びっくりするほどのトリックや驚きの結末はありませんが、どんでん返しはあります。
スラスラと読めるので、あまり本を読まない方にもおすすめです。
出版社: 角川書店
発売年: 2008年
米澤穂信/氷菓(ひょうか)
ミステリーにも「人が死なない物語」が存在します。
だまされたと思って「氷菓」を読んでみてください。
この作品は、高校生活のちょっとした謎を解決していくという学園ミステリーです。
登場人物たちの何気ない会話や掛け合いが面白く、日常の謎を描いたミステリーの魅力を感じることができますよ。
ストーリーが読みやすいので、ミステリー初心者におすすめです。
出版社: KADOKAWA
発売年: 2001年
米澤穂信/満願
やや幻想的なミステリー短編集です。
殺人を犯し、刑期を終えた妻の本当の動機とは・・・。
驚きの結末の表題作をはじめ、独創的な設定の話ばかりです。
それぞれの短編に上質さとキレがあり、ぞくっとするホラーな雰囲気をただよわせつつ、オチも決めています。
短編にして、この読み応えはすごいです!
出版社: 新潮社
発売年: 2014年
北村薫/空飛ぶ馬
殺人の起こらない「日常の謎」ミステリーの古典的名作です。
主人公の女子大生が、身近で起きた謎を、落語家の春桜亭円紫が解決していきます。
例えば、「3人の女子高生はなぜ紅茶に砂糖を何杯も入れるのか?」という謎を解き明かしていくのです。
このように気になる謎ばかりで、どんどん読めますよ。
短編ミステリーとしても面白いですが、読後、心に残る物語ばかりです。
出版社: 東京創元社
発売年: 1994年
恩田陸/夜のピクニック
高校生が夜を徹して80キロを歩き続ける「歩行祭」。
ここで、主人公は誰にも言えなかった秘密を清算するために、小さな賭けに出ます。
学生時代を思い出し、フレッシュな気持ちになれる青春ミステリーです。
後味の良いミステリーを読みたい方におすすめです。
出版社: 新潮社
発売年: 2006年
蘇部(そぶ) 健一/六枚のとんかつ
アホバカ・トリック満載のミステリー短編集です。
トリックのばかばかしさを堪能できるので、必ず順番に読みましょう。
お下品で、くだらないですが、ついつい読み進めてしまう面白さがあります。
何でも許せる方向けの作品です。
本格ミステリーばかり読んでいると疲れてしまうので、たまにはこのような作品で息抜きをしましょうね。
出版社: 講談社
発売年: 2002年
海外の推理小説作品
アガサ・クリスティ/そして誰もいなくなった
孤島という逃げ場のない状況で、童謡の歌詞になぞられて、次々と起こる殺人。
徐々に追い詰められていく人間模様に目が離せなくなります。
犯行の動機や方法、登場人物の心理描写が非常に細かく作りこまれています。
ミステリー初心者でも読みやすく、最後まで一気に読めますよ。
スリル満点ですから、サスペンスを堪能したいときにぴったりです。
ミステリー史上最も有名な作品で、数々の作品に影響を与えました。
出版社: 早川書房(新訳)
発売年: 2010年(新訳)
アガサ・クリスティ/アクロイド殺し
村の名士であるアクロイド氏が、短刀で殺されるという事件が起こりました。
クリスティお馴染みの名探偵「ポワロ」が、迷宮入り寸前の事件を見事に解決します。
1926年に発表当時、使われたトリックには、賛否両論があったそうです。
しかし、終盤の衝撃は計り知れないもので、だまされる楽しさを味わえます。
詳しいことは調べずに、予備知識なしで読むことをおすすめします。
出版社: 早川書房(新訳)
発売年: 2003年(新訳)
コナン・ドイル/シャーロック・ホームズの冒険
名探偵ホームズと、相棒のワトスン医師の活躍が描かれた短編集。
シャーロック・ホームズの名前は知っていても、意外と読んだことがない方もいるのでは?
ホームズの明快な推理と、ワトスンのツッコミなどユーモアにあふれた作品です。
それぞれの話しが長すぎず、それでいてしっかりとした推理小説になっていますから、サクサク読めます。
この作品は、ホームズシリーズを読んだことのない方の最初の一冊としておすすめです。
出版社: 東京創元社(新訳)
発売年: 2010年(新訳)
エラリー・クイーン/Xの悲劇
ニューヨークの満員電車で発生した殺人事件。
この難事件に、聴力を失った元シェイクスピア俳優、ドルリー・レーンが挑みます。
ドルリー・レーンを探偵役とする「悲劇」4部作の第1作目で、1932年に発表された作品ながら、今なお読み継がれる名作です。
個人的には、4部作の中でこの作品が一番好きですね。
これぞ本格推理小説!といったような安心感のある作品で、スイスイ読めます。
出版社: 東京創元社(新訳)
発売年: 2019年(新訳)
エラリー・クイーン/Yの悲劇
「悲劇」4部作の第2作目です。
大富豪の死体が港で発見され、毒物による自殺だと考えられた。
その後、異形のハッター一族に信じられない惨劇がふりかかる。
奇をてらうトリックはありませんが、読者を引き込む力が素晴らしく、最初から最後まで一気に読ませます。
本格ミステリーのレベルは、「Xの悲劇」と同レベルです。
が、この作品の方が圧倒的に人気があるのは、犯人の意外性に負うところが大きいとされています。
出版社: 角川書店(新訳)
発売年: 2010年(新訳)
F.W.クロフツ/樽
ミステリーにおけるアリバイ崩しを確立させたと評される古典的名作です。
ロンドンに到着した船荷の樽の中から、金貨と人の手が発見された。
樽をめぐって、ロンドン警視庁とパリ警視庁の刑事が共同捜査を開始。
名作と言われるだけあり、冒頭からグッと引き込まれ、次々に出てくる謎、そして解明していく流れに大興奮です。
出版社: 東京創元社(新訳)
発売年: 2013年(新訳)
ロス・マクドナルド/さむけ
ハードボイルドの傑作ですが、本格ミステリーとしても面白い作品です。
私立探偵が、依頼人の失踪した妻を探すべく、調査を進めていきます。
その後、物語は二転三転、そして驚愕の事件の真相。
読み終わった後は、本当に「さむけ」を感じました。
出版社: 早川書房
発売年: 1976年
パット・マガー/四人の女
人気コラムニストが、4人の女のうちの誰かを殺そうとします。
読者は、誰がいつ殺されるのか考えながら読みます。
異色の「被害者探し」ものミステリーです。
この設定が、楽しんで読める要素の1つですね。
ロマンス・ミステリーとしては、ほぼ完ぺきな傑作と言えるでしょう。
出版社: 東京創元社(新訳)
発売年: 2016年(新訳)
ウィリアム・アイリッシュ /幻の女
殺人事件の犯人にされた主人公のアリバイを証明できるたった1人の女性は、どこにいるのか?
スリル満点のストーリー展開から、驚きのラストまで、飽きることなく読めます。
最後の最後まで、どうなるのかとハラハラドキドキさせられます。
サスペンスの不朽の名作と言われるのも納得です。
出版社: 早川書房(新訳)
発売年: 2015年(新訳)
まとめ|初心者向けの人気おすすめ推理小説
今回は、初心者向けの人気推理小説をご紹介しました。
どれも読みやすくて面白い作品ですから、気になる作品がありましたら、是非一度手にとってみてくださいね。
きっと推理小説の虜になるはずですよ!
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。